朽ちて倒れた、苔むす古い幹の向こう。小さな泉が空を映して、木陰が途切れたささやかな空き地。そこに広がっていたのは、光沢のあるエメラルド色の大きな布でした。それからバラバラになった、頑丈な繊維で織られたカゴの残骸。正体のよくわからない、宝石みたいに光る何かの破片。

 そして、一人の男。
 彼は泉から少し離れた木陰に大の字になって倒れていていました。その顔は見たことがないほど白く艶やかで、短く刈り込んだ銀色の頭髪と同様、森の中特有の碧い光に照らされて、うっすらと緑を映していました。

 シェーラが誰と出会ったか? そのうち分かりますよ。それよりも今はもっと大事な人々についてお話ししましょう。彼女の時代よりもっとずっと後の出来事、あの美しくも忌まわしい丘に引き付けられた子供たちのお話をね。

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