あとがき
拝読いただきありがとうございました。お楽しみいただけたでしょうか。
「隣の家の少女」の作者ジャック・ケッチャムの作品に、「地下室の箱」という作品があります。
あのケッチャムが書いた、「地下室の箱」。なんとも陰惨なイメージが舞い降りてきて、買わずには居られませんでした。そしてさっそく読みました。
しかし期待が大きすぎたのか、ううん、いまいち……。箱の中身に、いまいち魅力を感じることができませんでした。もっとなんかこう、もっとなんかこう……。
そこで、私の周りの人々に聞いてみました。
「地下室の箱の中には、何が入ってると思う?」
「死体!」「指!」「宝の地図!」「王者の剣!」
どれもこれもいまいちでした(笑 指はいい感じでしたが。元の持ち主が生きてるのか死んでいるのかわからないあたりが不気味でいいなぁ。箱いっぱいの、指……。
それでなぜか乱歩の「芋虫」を思い出して、このようなお話を書いてみることにしました。モヨ子と医者が共謀していたり、父親がモヨ子かわいさにときどき外部と連絡を取って生きてるアピールをしてるくだりも書こうかと思ったのですが、冗長なのでやめました。とっととクライマックスの、「若い女が箱の中で手足のない壮年男に犯される」シーンに持っていきたかったので。めんどくさかったわけではないですよ!
あまりのダルさに、モヨ子が拾ったのがBL小説だったらどうなってたかなぁとかくだらない妄想に走ったりもしました。やっぱり父ちゃんは妄想の犠牲者になったのかな……
という見苦しい言い訳はこのあたりにして、「地下室の箱」のあとがきも切り上げようと思います。
あなたの地下室の箱には何が入っていますか?
烏丸 琴子